
アメリカ証券取引委員会(SEC)は22日、可否判断が迫られていた9つのビットコインETFの申請を拒否したことを公式文書にて発表しました。したがって、残されたビットコインETFはCBOEが申請したVanEck SolidX Bitcoin Trustとなります。この申請に対するSECの判断期間は2018年9月30日までであり、最長で2019年2月まで延期することが許されています。
主な理由は詐欺と価格操作への対策が不十分であるためか
現地時間で8月23日に発表されるとされていた、ProSharesによるビットコインETFはSECによる最終の可否判断を予定しており、多くの投資家の注目を集めていました。
このSECによるビットコインETFの注目されていた理由としては、ウィンクルボス兄弟のビットコインETF否決やCboeの可否判断延期の発表が影響し相場が下落に転じるなど、過去の状況から相場への影響度が高いことで、値動きに作用するという味方が強まっていることがありました。
尚、ProSharesによるビットコインETFは、これら2つのETF申請の結果発表後、初の新たなる可否判断となることから、より注目度が高まっている状況下で非承認が発表されたことを受け、相場の下落が危惧されていたものの、発表による相場の下落は限定的であると言えます。このことから、投資家達の、今回のビットコインETFの承認に対する期待感はそう高くなかったと考えられます。すなわち、結果は織り込み済みであったためか、今回の発表による短期的な下落インパクトは想定以上に弱かったと言えます。
ProSharesによる2つのビットコインETFに加え、9月15日に可否判断予定だった、GraniteSharesの2つのETF。そして9月21日に判断予定だったDirexionの5つのETFも、同時に拒否され、これは大方の予想よりも早く発表された結果であると言えます。
いずれのビットコインETFも、申請している取引所は、詐欺や価格操作を防ぐ上でSECが求める基準に達していないという理由で拒否されました。
これは、7月27日にウィンクルボス兄弟のビットコインETFが拒否された時と同じ理由です。また、市場規模がまだ育っていないことも指摘されました。
これで、SECはCBOEが申請したVanEck SolidX Bitcoin Trustを残すのみとなり、9月30日に向けて、集中して検討することができるようになります。CBOEのビットコインETFの次の判断期間は2018年9月30日で。SECはこのETFに関して、承認、却下、または最大2019年2月まで延期することが可能です。